(映画)ダーリンは外国人
漫画化された本作品が映画になっていたことを今更知り、気に入っていた作品だったので見てみた。
ざっくりしたあらすじ
日本人女性(さおり)が、外国人男性(トニー)とお付き合いする、という話です。
文化の違いがテーマなのはもちろん、トニーは語学オタクで、日本語の「そこなの?」というところに疑問を持ってしまいます。
例えば、「ぶん殴る、は何で(ぶん)なんだろう。どん殴る、がん殴るでも良さそうな気がする」「やれああしろこうしろ、の(やれ)って何?」などだ。
日本人でも疑問に持たないような小ネタがとても面白い。
漫画
この漫画、もともと病院の待合室で読んだのですが、絵が可愛いんですよね。
あと、文字主体の読み物なので読みづらいかと思いきや、ネタが面白い(日本語ネタなので)ので、世界観に入りやすく、飽きずに読めますよ。
映画
映画はどうだったかというと、何も知らずに見るには少し「?」があるかな?とは思いましたが、役者さんの演じ方が上手く、それほど違和感は産まないでしょう。
もともとノンフィクションということで、ドラマティックな内容を期待すると少しギャップがあるかもしれませんが、細かいネタなども入込まれていて、退屈せずに見られるんじゃないかな、と思います。
ラストシーンはしっかり感動できると思います。
何を伝えたかったのか?
視点を変えて、この作品から何が伝わってきたのか、というのを考えてみます。
若干のネタバレを含みますから、まだ作品を見ていない方は注意して下さい。
外国人とは?
語学オタクとして描かれているトニーですが、この部分はあくまで彼の良さであって、本作品のテーマからすると一部にすぎません。映画ではそれが顕著に描写されているように感じます。
寿司屋のシーンで、トニーの友人が「日本人の女性は簡単だ、すぐ電話番号を教えてくれる」と言ったのを、トニーが否定するシーンがあります。
トニーは、さおりのいいところを色々話します。最後に一言を添えます。
日本人女性だからじゃない、さおりだからなんだ。
(トニー)
読んでみれば、ありがちな台詞かもしれませんが、ここに大きなテーマが潜んでいることに気が付きます。
国際結婚とは、マイノリティという名のハンデキャップ
別のシーンに目を移すと、さおりの両親が、国際結婚に反対する場面があります。
あなた、騙されているのよ!
(さおりの母)
この場面からは、次のような類推が可能です。
- 国際結婚は普通の結婚とは異なる(マイノリティである)
- 娘が不幸になってしまう(マイノリティは幸せになれない)
- あえて不幸な道を選ぶ必要はない
つまり、他の選択肢もある中、あえて困難な選択肢を選ぶ必要はないのに、それを選んでしまったのは、何らかの正常ではない判断を下してしまった結果なのではないか、そう言うわけです。
この後、考え直しなさい、と言うわけですが、この単語も「話せばわかる」といった立場の発言のように判断できます。
マイノリティは少数派であって騙されているのではない
もちろん、本当に騙すつもりで近づいてくる人もいます。しかし、それが全てでしょうか。
自分は、そうは思いません。
なんども検討を重ねて選択した結果がマイノリティであった場合、話しても「変えられない」のです。
「本当に大丈夫だろうか」そう考えることは頻繁にあるでしょう。
しかし、それは決断に対して揺れているのではなく、受け入れた上で、どのように振舞えば良いのかを悩んでいるわけなので、心配する必要はありません。
しかしながら、考えた結果、「やはり間違っている」といった結論に達することもあるでしょう。
それは、一つの結論として向き合うべきです。
マイノリティと向き合おう
もしあなたが、何らかのマイノリティの要素ー例えば性的少数派、国際結婚、在日外国人…ーを持っているとしたら、まずはしっかりと向き合うべきです。
"その"内容によっては、変えられるもの、変えられないものがあるでしょう。
だから、受け入れろ、というわけではありません。それ以外の選択肢を取るための手段について、現代では大きく許容されています。(もちろん、不可能なこともありますが…)
向き合い方のフロー
もしあなたが、自身のマイノリティに気づいてしまい、それを受け入れられない、受け入れたくない、と感じてしまったら、まずは、なぜそう感じたのか、を自分なりに考えてみましょう。
現状把握
- なぜ、受け入れたくないのか?
- どこが受け入れられないのか?
- 環境に起因しているのか?
- 近くに、同じような悩みを抱えている人はいるのか?
- 1日のうち、どれくらい葛藤に苦しむのか?
- 改善※のため、何らかの努力を現在行っているのか?
※ここでいう改善とは、受け容れ、排除、環境変化など、様々なものを示す
終点把握
- 自分がありたい姿
- 理想的な環境
- 理想的な姿を持つ人はいるか。
プロセス検討
- どのような手段があるか?
- それぞれの手段に対し利点、欠点はあるか?
- 利点、欠点を挙げた上で、手段に優劣がつけられるのか?
- 実現性はあるか?ない場合はどのような仮定が必要か?
まずは第一歩を歩み出せ
上のプロセスについて、簡単なことからやっていくことが大事です。
継続しないから、と諦める前に、まずは一歩を。