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音楽は人を動かすか

※本記事は特に何も調べずに、思ったことをつらつら書いたものです!

見る、聞く、言う、触る、嗅ぐ

皆さんは芸術と言ったら何を連想するだろうか。
大体の方は絵画を連想するでしょうか。それは文字だったり、もしくは彫刻だったり、映画だったり、はたまた演劇だったりするかもしれませんね。
 
見ざる、言わざる、聞かざる、という言葉がありますが、絵は「見る」ものですし、映画は「見る」「聞く」ものです。演劇は、観客側からは「見る」「聞く」ものですが、演者側からすると「言う」ものだったりします。そういえば、カラオケは「言う」ものかもしれませんね。
目が見えない方からすると、彫刻は「触る」ものかもしれません。造形では、香りが漂ってくるものもありますから、「嗅ぐ」といったものもあるでしょう。
耳が聞こえない方は、演劇を、香りで「嗅ぐ」ことによって感じることができるかもしれません。
 
つまり、芸術とは、五感で感じることが出来るものなんです。
本記事では、その中の「音楽」について書いていきます。
 

音楽は「見る」ものか?

音楽は「見る」ことができるものでしょうか。

楽曲のプロモーションビデオは、映像を通して楽曲を訴えかけています。

外国籍料理屋は、お店の内装を工夫し、あたかも海外に行ったかのような体験をすることができますが、そこには流れているBGMが一役買っているかもしれません。

インドカレー屋さんに行かれたことのある方はわかるかもしれませんが、ほとんどのお店で(場所によっては映像とともに)現地の曲が流されていることに気づきます。

つまり、音楽は「見る」ことができるものですし、それによって他の五感に深みを与えている、ということができると思います。

音楽は「聞く」ものか?

では、音楽は「聞く」ものでしょうか?
 
音の歴史は古く(楽器という定義ができるかわかりませんが)、ある時は儀式的用途で、ある時は意思疎通を取るために“音”は太古から使われてきました。
その目的の多くは“伝達”のためですが、「聞く」ことには、他の五感に対して大きなメリットー距離ーがありました。
 
人間の視力は高々2.0で、100メートルほど離れてしまうとせいぜい色の判別ほどしかできません。
しかしながら、音を使うことによってその範囲を広げることができるようになりました。
 
例えば、戦国時代の戦(いくさ)の例を考えてみると、
  • 太鼓を2回鳴らしたら退却
  • 1回なら攻める
この方法なら、「見る」に訴えかける以上の効果が期待できます。
上記の利便性から、音による伝達が広まっていたことに対して、疑問の余地はないでしょう。
ここで、音に対して、もう一つ大きな役割ー意味付けーという大きな変革が伴っていることに気がつきます。
意味付け
音は、ただ鳴っているだけではただの波形にすぎませんが、我々はそれらに対してルールを与えることができます。
  • 音のなった回数
  • 音の種類
  • 音のパターン
これらの施策により、音は人を動かすメッセージに昇華するのです。
 
更に、意味付けには「意味付けを知らないものには効果をなさない」という、暗号化の側面があります。
パトカーや救急車のサイレンの音を聞けば、現代人は思わず振り向くでしょうし、スーパーで流れる業務連絡は、店員を対象に流しているものです。
動かすこと、動かさないこと
「オオカミの声が聞こえたら逃げろ」と教わった羊の群れと、教わらなかった羊の群れがあったとして、そこに狼の遠吠えが響き渡ったとしたら、何が起こるでしょう。
これは、なかなかに面白い命題です。是非皆様も考えてみてください。
羊の群れが近くにいた場合
片方の群れについては、オオカミの怖さを知っているわけですから、音がしない方に逃げる、というのは容易に想像できます。
 
では、もう一方の群れはどうでしょうか。
もう一方の群れは、片方の群れが逃げたのを見て、勘のいい個体は逃げ始めるでしょう。何故でしょうか。
音に対する「意味付け」を“羊たちが逃げた”事で知り、“この音を聞いたら逃げなければならない”という意味付けをその場で行ったからに他なりません。
つまり、予め明確な意味付けがされていなかったとしても、その場で意味付けをすることは可能なのです。
これは、本能レベルの危機察知能力といっても良いかもしれません。
羊の群れが離れていた場合
では、群れ同士が離れていて、「片方の群れは逃げた」という情報が入ってこなかった場合はどうなるでしょう。
これは、幾つか行動パターンが考えられます。
  • 何も行動しない
  • 他の類似事象から、現在発生した出来事を予測し、行動する
  • 未知の現象が発生したため、退避する
ここで立場を人間に戻すと、「未知の現象」というワードがポイントになってくることがわかります。
つまり、「どういう意味かがわからない、ということだけはわかる」状態になるわけです。
 
とりわけ、未知の現象については、動物は好奇心、恐怖心を持ちますから、それに従って行動すると想定して間違いありません。
もちろん、古代人からみた「電気」など、想定のつかないものに対しては恐怖すら抱かないでしょう。
しかし、音は古来からあるもので、万国共通、もとい森羅万象に共通なものですから、彼らはそれに対して好奇心、恐怖心を持つことが出来るのです。非常に興味深いですね。

音楽は人を動かすか?

さて、ここまでの話を聞いて、改めて題名を見なおしてみるとどうでしょう。

そもそも、音楽以前の音でさえ、人を動かすことができる・・・そんな気がしてきませんか?

※見る、聞く、以外については次回以降の記事で触れさせていただく予定です。