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割り切れる数 Qiitaアドベントカレンダー(数学)12/16用記事

はじめまして。windcrossです。
仕事ではネットワークエンジニアをやっております。

アドベントカレンダーというと、プログラミング寄りの記事が多いような気がしていますが、今回は数学について書いてみようと思います。

こちらの記事はQiitaのアドベントカレンダー(数学)の16日の記事です。

身近で活用できる数学(算数)

数学というと、面倒で難しい割に役に立つ機会が少ない(役に立たないわけではない)というイメージを持っている方が多いと思います。

これは、的を射ている部分と、そうでない部分があるのですが、たしかに日常生活で微分積分を解けないとつらい、というふうに感じることはありません。

でも、知っているとちょっと楽しい、という場面は沢山あるのです。

今回の記事では、その中でも、○○で割り切れる数にフォーカスして記事をかいています。話をしては知っていても理屈が…という方向けです!

※以下、文章中に数字が出てきた場合は全角、数式の中の数字は半角を使用します。
※引用部分の問題の回答は末尾にあります。

A.偶数と奇数

2で割り切れる数字を偶数、割りきれない数字を奇数と呼びます。
偶数を言い換えると、末尾が0,2,4,6,8で終わる整数のことですね。

値段表示が税込みのお店で、二人でランチをした時に、全く同じものを注文した場合は、合計金額は必ず偶数になります。

偶数と奇数には、以下の関係性があります。

・和(足し算)

偶数+奇数=奇数
偶数+偶数=偶数
奇数+奇数=偶数

・積(掛け算)

偶数×偶数=偶数
偶数×奇数=偶数
奇数×奇数=奇数

このような性質は当たり前のように感じますが、問題を解くのに大きなヒントになったりします。
以下の問題を解いてみましょうましょう。

Q1.ある1桁の数字(N>1)の2乗(同じ数字同士を掛けること)を取ったら1桁の奇数になった。Nはいくつか?

どうでしょうか、解けましたか?

 B.3で割り切れる数

2で割り切れる数といえば、偶数になります。では3で割り切れる数はどんな数になるでしょうか。

まずは単純化して、3桁の数字で考えてみます。
3桁の数字Xは、以下の式ですべて表現することができます。

X = 100*a + 10*b + c

ただしaは1以上です。0になってしまうと2桁の数値になってしまいます。

これが3で割り切れる数字の場合は、次のように表現できます。

X = 3Y
= 100*a + 10*b + c

ここで、Yは任意の整数を指します。

さて、ある数字に3を掛けると、それは必ず3で割り切れる数字になりますよね。それを利用して、式変形を行ってみます。

X = 3Y
= 100*a + 10*b + c
= 99*a + 9*b + a + b + c
= 3*33*a + 3*3*b + a + b + c
= 3*(33*a + 3*b) + (a + b + c)

99と9はそれぞれ3で割り切れます。つまり、3桁の整数が3で割り切れるためには、a+b+cが3の倍数であれば良いのです。美しいですね!

もっと簡単に言い換えると、各桁の数を足した値が3の倍数になっていればいいということです。

123、456,789,これはいずれも3で割り切れます。

1桁の足し算と3の段の九九を覚えていれば良いわけですから、簡単ですね。これは桁数が増えても同じ理屈が成立します(ぜひやってみてください)

以下の問題を解いてみましょう。

Q2.123456789は3の倍数だろうか?

C.5で割り切れる数

では、5で割り切れる数はどうでしょう。これは非常に簡単です。
3で割り切れる数と同様に式変形してみます。

X = 5Y
= 100*a + 10*b + c
= 5*20*a + 5*2*b + c
= 5*(20*a + 2)*b + c

つまり、末尾の値が5で割り切れればよいということになります。簡単ですね。具体的には5,または0となります。

以下の問題を解いてみましょう。

Q3.1900以上、2000以下の整数の中で、5で割り切れる数はいくつあるか?

D.7で割り切れる数

7で割り切れる数は少し特殊です。先ほどのように式変形をしてみます。

X = 7Y
= 100*a + 10*b + c
= 7*14*a + 7*b + 2*a + 3*b + c
= 7*(14*a + b) + (2*a + 3*b + c)

今までのように、わかりやすい形に変形できませんでした。これは、10の倍数である値を7で割った値のパターンが沢山あることが原因です。

1を7で割ると、特定の小数点パターンが続くことがわかっています。また、分数を少数化した値を並べてみると、面白い特徴を持っていることがわかります。

1 / 7 = 0.142857142857...
2 / 7 = 0.2857142857...
3 / 7 = 0.42857142857...
4 / 7 = 0.57142857...
5 / 7 = 0.7142857...
6 / 7 = 0.857142857...

パターンと先頭の小数点の値さえ覚えておけば、いつでも暗算ができますね。

Q4.22/7を小数で表現した時、小数点第100位の値を求めよ。

※小数1.23があったとき、2を小数第1位、3を小数第2位…というように呼ぶ。

 

数学は魔法

数学を知っていると、一見解くのが困難に思える問題をさくっと解くことができます。

例えば、BMIは 体重(kg) / 身長(m)^2 で計算できますが、身長の値を特定の値の平方根と見ることで、以下の知識が応用できます。

平方根の覚え方と値(sqrtはルート(√)を表します)

sqrt(2) = 1.41421356..(一夜一夜に人見頃)
sqrt(3) = 1.7320508..(人並みにおごれや)
sqrt(5) = 2.2360679..(富士山麓オウム鳴く)

つまり、身長が170センチの人は、体重を3で割ることによって、おおまかなBMIが算出できます。173センチならほぼ正しい値が期待できますね。

日常生活、特に雑談において正確な値が必要になることは稀ですから、こういった数字を覚えておいて、必要なときにアウトプットできるようになると、一歩魔法使いに近づけると思います。

また機会があれば、数学に関する小ネタを書いていきます!

解答

Q1.ある1桁の数字(N>1)の2乗(同じ数字同士を掛けること)を取ったら1桁の奇数になった。Nはいくつか?

答え:

掛け算をしたら奇数になったので、Nは奇数。1桁の奇数は1,3,5,7,9の5種類N>1だから、3,5,7,9のどれか。掛け算をして1桁の値になるのは3だけ。

Q2.123456789は3の倍数だろうか?

答え:3の倍数である

123456789の各桁を足すと45になる。これは3の倍数なので、3の倍数。

ちなみに、123,234などの、連続した値が続く3桁の整数はすべて3の倍数になる。理由を考えてみよう。

Q3.1900以上、2000以下の整数の中で、5で割り切れる数はいくつあるか?

答え:21個

 該当する整数は19{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9}{0,5}と2000である。19XXのパターンは10×2で20通り。2000を含めると21個になる。

Q4.22/7を小数で表現した時、小数点第100位の値を求めよ。

答え:

 22/7 = 3 + 1/7と変形できれば、22/7 = 3.142857..と続くことがわかる。

100 / 7 = 14余り2なので、100番目は142857を14回繰り返して、2個進めれば良い。よって、答えは3.142857...1428571[4]の4になる。